塗料は大きく分けると顔料、樹脂、添加剤、溶媒の4つの成分で構成されています。
その中で揮発して塗膜に残らない溶媒には、有機溶剤やシンナーが使用されてきました。
トルエンやキシレン、酢酸エチルなど有機溶剤の多くはVOC(Volatile Organic Compounds;揮発性有機化合物)に該当し、環境や人体に悪影響を及ぼしかねないため、国や自治体はVOCの排出規制を定めています。

塗装の分野においても、環境負荷の低減や使用者の健康への配慮の観点から、溶剤系塗料に代わり溶媒に水を使用する水系塗料などの「低VOC塗料」が近年選ばれるようになってきています。

しかし、「低VOC塗料と呼ばれる基準は?」「低VOC塗料に関連した製品はある?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、低VOC塗料の定義や基準、関連製品などについて解説します。ぜひ参考にしてください。

 

低VOC塗料とは?

低VOC塗料とは?

低VOC塗料とは、塗料に含まれている有機溶剤などのVOC成分の量が少ない、またはVOC成分を含まない塗料のことです。低VOC塗料を使用することによって、大気中に排出されるVOCの量を抑えることができます。

下記では、低VOC塗料の定義・基準、メリットをそれぞれ解説します。

 

低VOC塗料の定義・基準

日本塗料工業会が定めた低VOC塗料の基準は、塗料製品中のVOC含有量が30%以下であることです。

水系塗料にも仕上がりをよくするために用いられる溶剤にVOCが含まれています。水系塗料のように低VOC塗料に該当する場合でも、塗装後の乾燥時にわずかなVOCが大気中に揮発しています。

溶剤型塗料は水系塗料よりVOC含有量が多いものの、乾燥が速く、塗膜の耐候性が出ることが理由で広く使用されてきました。まだまだ溶剤型塗料が使用される場面は多くあります。

一方で、水系塗料も性能が向上しているため、溶剤型塗料を使用する代わりに、水系塗料などの低VOC塗料を選択することで、VOC排出量の削減に貢献できます。

 

メリット

低VOC塗料を使用することで、大気中へのVOC排出量が低減します。

塗装作業中や乾燥後に放出される有害な化学物質の量が減少し、作業環境が改善されるだけでなく作業者の健康被害へのリスクを抑えることが可能です。また、大気汚染の低減や廃溶剤の発生量が減少して廃棄物処理費を削減することにもつながります。

低VOC塗料を使用することは、作業環境や大気汚染の改善に効果的なだけでなく、環境対策に積極的に取り組むことで社会的な評価が向上するメリットもあるのです。

 

関連製品

関連製品

サンノプコ株式会社は、水系塗料をはじめとする低VOC塗料の機能向上に貢献する消泡剤や分散剤などの各種添加剤を取り扱っています。

他にも、水にポリウレタン樹脂を分散させた水系ポリウレタン樹脂(ポリウレタンディスパージョン)「ユーコート 」シリーズをラインナップしています。粒子径が小さく、顔料分散性に優れていることから、塗料やインクに使用すると滑らかで光沢のある塗膜が得られます。

 

低VOC塗料に興味がある方へ

低VOC塗料に興味がある方へ

低VOC塗料は、人体や環境に悪影響を及ぼすVOCの含有量が少ない塗料です。

VOCは常温下でも蒸発し、大気中に放出されやすい性質を持ちます。多くの製品や産業で使用されることから、排出量を削減するために低VOC塗料が開発されました。

低VOC塗料を使用すれば、作業環境の改善や対策にかかるコストの削減につながります。また、環境問題への取り組みをアピールできれば、企業イメージを向上させることも可能です。

低VOC塗料を作りたいとお考えの方は、サンノプコ株式会社の製品をぜひご検討ください。サンノプコ株式会社は塗料に関する知識や経験が豊富で、お客様の用途に適した添加剤や樹脂をご提案いたします。

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