近年、環境問題への関心が高まる中、環境に配慮した取り組みを示す3R(リデュース・リユース・リサイクル)だけでなく「アップサイクル」などの言葉を耳にする機会も増えました。それらは廃棄物を減らし、環境への負担を軽減する取り組みを指しますが、その目的や方法には違いがあります。
 
今回の記事では、「リサイクル」「アップサイクル」に焦点を当て、両者の定義や具体的な違いを解説するとともに、具体例を紹介します。
 
アップサイクルとリサイクルの違いを知りたい方はぜひチェックしてください。

 

アップサイクルとリサイクルの違いは?

それではまず、アップサイクルとリサイクルの違いを解説します。

 

リサイクルとは?

不要になった製品や素材を回収し、新たな原材料として再利用するプロセスを指します。廃棄物をそのまま捨てるのではなく、再資源化することで資源の無駄を減らし、環境への負担を軽減するのが目的です。
 
リサイクルは主に、金属、プラスチック、紙、ガラスなど、再生可能な素材を対象に行われます。回収、分別、処理、再製造といった複数のステップがあり、製品の形状や用途が元のものと異なる場合もあります。
 
廃棄物の処理量を減らし、資源の枯渇を防ぐだけでなく、エネルギーの節約にもつながります。環境保全や持続可能な社会の実現に寄与する取り組みとして、個人から企業、自治体まで幅広く取り入れられています。

 

アップサイクルとは?

不要な物資や今まで未利用であった資源、廃棄予定であった物を単に再利用するだけでなく、新たな価値を付与して再生させる取り組みを指します。素材や形状などの特長を活かしながら、元の用途とは異なる新しい製品として生まれ変わらせます。原材料に戻し利用するリサイクルとは違い、アップサイクルは従来価値がなく不要とされていた物にデザイン性や機能性といった付加価値を与え、より良いものを創造することに重点が置かれます。
 
不要とされたものが新たな価値を持つ製品として再生されるため、環境への配慮とともに、経済的な価値も生み出します。アップサイクルは、企業の製品開発や個人のDIY活動を通じて広がりを見せています。

 

アップサイクルとリサイクルの事例

アップサイクルとリサイクルの事例
 
リサイクルやアップサイクルの具体的な事例を紹介します。

 

リサイクルの事例

使用済みのペットボトルは、洗浄、粉砕、再加工の工程を経て、新たなペットボトルや衣類の素材として再利用されています。ペットボトルを細かく破砕して原料として加工し、ポリエステル繊維や食品容器など、さまざまな形で活用されます。
 
アルミ缶は回収後に溶解され、再びアルミ缶や別のアルミ製品に生まれ変わります。アルミの再生に必要なエネルギーは新規製造よりも約95%少なく済むため、環境への負担が大幅に軽減されます。
 
紙のリサイクルでは、古紙が回収され、トイレットペーパー、段ボール、印刷用紙などの原料として再利用されており、ガラス瓶も溶融され、新しいガラス瓶や建築資材、アート作品の素材として再生されています。

 

アップサイクルの事例

古いデニムジーンズをバッグやポーチにリメイクする取り組みは、アップサイクルの代表例です。素材の耐久性や独特の風合いを活かしながら、新たな用途を持つ製品に生まれ変わらせる方法として広く普及しています。
 
また、食品分野でもコーヒーの豆かすを利用し、脱臭・消臭効果の高さを生かした雑貨やスポーツ用品の制作、野菜くずをお菓子などに生まれ変わらせる取り組みも知られています。
 
他にも、廃材となった木材やパレットなどを使って新たな製品を制作するのも、アップサイクルの一例です。本来は廃棄されるものが、高付加価値な製品に生まれ変わります。
 
企業では、製造過程で生じる余剰素材や古い製品のパーツを活用して、新しい商品を開発する動きが進んでいます。

 

サンノプコのアップサイクルの取り組み

サンノプコのアップサイクルの取り組み
 
サンノプコは「消泡剤」「分散剤」「粘弾性調整剤」などのさまざまな機能を有する工業用薬剤の提供を通じて、社会で活躍する数々の製品の高品質化や生産効率の改善を支援しております。
 
また、当社では新たにアップサイクルの取り組みも行っています。培ってきた技術を生かし、国産未利用木材を有効活用した高機能テキスタイル「MOC-TEX®」の開発を行っています。
MOC-TEXは、バイオマス度が高く(植物性バイオマス度約80%)、吸放湿性や消臭性に優れています。さらに使用するほどに味わいが深まるという特性を持つ、魅力的な新素材です。
 
国産の未利用木材を加工した木粉を原料とし、当社独自の設計、分散、消泡、粘弾性調整技術を駆使して開発しました。
 
パスケースや名刺入れなどの雑貨、木製家具との組み合わせ、さらに木の温もりを感じられる風合いを生かしたさまざまな製品への応用が可能です。その優れた特性と環境負荷の低さから、サステナブルな素材として注目を集めています。
 
>>MOC-TEXの詳細はこちら

 

アップサイクルとリサイクルの違いについて

アップサイクルとリサイクルはどちらも不要な物を活用する取り組みですが、目的や方法に違いがあります。リサイクルは使用済みの廃棄物を原材料として再資源化し、新たな製品に生まれ変わらせることで、資源の無駄を減らし環境への負担を軽減する方法です。
 
一方、アップサイクルは不要とされていた物に新たな価値を付加し、デザイン性や機能性を向上させた高付加価値な製品に生まれ変わらせるアプローチです。リサイクルが素材の再利用に重点を置くのに対し、アップサイクルは創造性を活かした新しい価値の創出が特徴です。
 
それぞれの取り組みは、環境保全や持続可能な社会の実現において重要な役割を果たします。日常生活や企業活動で積極的に取り入れることで、サステナブルな未来に貢献できるでしょう。
 
また、当社が提供している未使用木材をアップサイクルした新素材「MOC-TEX」にご興味がございましたらお気軽にお問合せください。
 

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